諦める前に、
まずはご相談ください。
当院では、複数の治療薬を用いたFIP治療を行っています。
これまで「不治の病」と恐れられてきたFIP(猫伝染性腹膜炎)ですが、近年の獣医療の進歩により、治療可能な病気へと変わりつつあります。
当院では、最新の知見に基づき、海外で実績のある抗ウイルス薬を用いた治療を行っています。
「他院でFIPの疑いがあると言われた」
「治療費が高額で迷っている」
「今の治療で改善が見られない」
そのような不安をお持ちの飼い主さまは、一度当院までお問い合わせください。
詳細な検査を行い、その子の状態とご家族の意向に合わせた治療プランをご提案いたします。

当院のFIP治療における方針
FIPの治療は、スピードが重要です。しかし、それと同じくらい「飼い主さまが納得して治療に進めること」が大切だと考えています。
当院では以下の3つをお約束します。
具体的な治療薬の提示
効果と費用の異なる複数の薬剤(GS-441524、モルヌピラビル、レムデシビルなど)を取り扱っています。それぞれのメリット・デメリットを詳しくご説明し、最適な方法を一緒に考えます。
費用の透明性
治療開始前に、検査費用や薬代の目安を明確にお伝えします。
早期の診断と治療開始
院内での迅速な検査体制を整え、診断がついたその日から治療を開始できる体制を整えています。
FIP(猫伝染性腹膜炎)とは?原因と症状
FIP(猫伝染性腹膜炎)の原因
FIPは、猫コロナウイルス(FCoV)が原因で引き起こされる病気です。
猫コロナウイルス自体は、実は60〜70%程度のネコちゃんが保有しているとされているありふれたウイルスです。通常は病原性が弱く、無症状や軽い下痢程度で済むことがほとんどです。しかし、ネコちゃんの体内でこのウイルスが突然変異を起こし、毒性の非常に強い「猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)」に変化してしまうことで、致死的なFIPを発症します。
【発症しやすい年齢】
- 1歳未満の比較的若い子猫(免疫力が未熟なため)
- 8歳以上の高齢猫(免疫力が低下してくるため)
FIPの3つのタイプと症状
FIPは症状の出方によって、「ウェットタイプ」「ドライタイプ」「混合タイプ」の3つに分けられます。
どのタイプにも共通する初期症状として、以下のようなサインが見られます。
【共通する初期症状】
- 食欲が落ちてきた
- 元気がない、遊ばなくなった
- 体重が減った
- 発熱(体がいつもより熱い、耳を触ると熱い状態が続く)
以下、タイプごとの特徴を詳しく解説します。
ウェットタイプ(進行が早い)
FIP全体の約6〜7割を占めるのが、このウェットタイプです。血管に強い炎症が起き、血液中の成分が漏れ出すことで、お腹や胸に水が溜まります。
【主な症状】
- 3日以上続く発熱
- 腹水・胸水(お腹がポンポンに膨らむ、胸に水が溜まる)
- 呼吸困難(胸水による圧迫で呼吸が早くなる・苦しそうにする)
- 黄疸(耳の内側、白目、口の中が黄色っぽくなる)
- 2日以上続く下痢、嘔吐
【ここが危険】
ウェットタイプはドライタイプに比べて進行が非常に早く、発見から10日ほどで急死してしまう可能性があります。
「お腹が膨らんできた」「呼吸が荒い」と感じたら、一刻も早く受診してください。
ドライタイプ(診断が難しい)
FIP全体の約3〜4割に見られます。ウェットタイプのように目立つ腹水や胸水が見られず、症状が曖昧なため、見過ごされるケースが非常に多いのが特徴です。
「なんとなく元気がない」「徐々に痩せてきた」という状態が続き、気づかないうちに様々な臓器に肉芽腫というしこりができ、機能障害を起こします。
【目に発生した場合】
- ぶどう膜炎(目が濁ったようになる、左右で目の色が違う)
- 虹彩炎(黒目の周りが腫れて充血する)
【脳・神経に発生した場合】
- 麻痺(足元がふらつく、立てない)
- けいれん発作
- 性格の変化
【その他の臓器(腎臓・肝臓・肺・腸など)】
- 嘔吐・下痢
- 黄疸、腎障害、呼吸困難 など
ドライタイプは診断が難しいため、他院で原因不明と言われた場合でも、当院の精密検査でFIPと判明するケースがあります。
混合タイプ
ウェットタイプとドライタイプの両方の症状が混在するタイプです。
両方の症状が同時に進行するため、診断・治療ともに複雑になることがありますが、当院では症状に合わせて細かく治療プランを調整します。
実際の治療例
当院でFIP治療を行い、経過が良好な事例をご紹介します。
治療のイメージとして参考にしてください。
症例:りらちゃん(ラガマフィン / 4ヶ月 / 1.15kg)
【来院時の症状】
- いつもより元気がない
- 食欲がいつもの半分程度に低下
- 飲水量が減り、おしっこの回数が1日1回に減少(通常3〜4回)
- 身体検査にて発熱を確認
【検査と診断】
レントゲンおよびエコー検査にて、お腹に貯留液(腹水)が確認されました。
FIPの疑いが強いため、血液検査と腹水のPCR検査を実施しました。
- 一般血液検査:貧血、白血球数の上昇、総タンパクの上昇、アルブミン低値を確認。
- 炎症マーカー(SAA):225以上(激しい炎症を示す高値)。
- 蛋白分画:ポリクローナルガンモパシー(感染症や炎症の示唆)。
- 腹水PCR検査:猫コロナウイルス陽性(+)。
以上の結果よりFIP(ウェットタイプ)と診断しました。
食欲が一定以上残っており、ご自宅での投薬が可能であったため、「GS-441524(錠剤)」と「ステロイド(抗炎症薬)」による治療を開始しました。
【【治療経過】
治療開始から1週間後には、食欲・飲水量・尿の回数が通常通りに戻り、同居のワンちゃんと遊べるほど元気が回復しました。
- 1週間後の検査数値:貧血改善(正常値)、SAA 3.8未満(正常値へ低下)。
- 画像所見:エコー検査にて腹水の減少を確認。
現在は腹水の貯留によるお腹の張りも引き、順調に回復しています。
FIP治療にかかる費用について
FIP治療は自由診療であり、使用する薬剤が海外からの輸入薬となるため、費用が高額になる傾向があります。
当院では、事前に費用の目安をお伝えし、ご納得いただいた上で治療を開始します。
※以下は目安となります。為替レートや輸入コスト、ネコちゃんの体重・症状により変動します。
診断・検査にかかる費用(初期費用)
FIPの診断は、ひとつの検査だけで確定することが難しく、複数の検査結果から総合的に判断します。
| 血液検査 | ¥15,000前後 |
|---|---|
| 画像診断(レントゲン、エコー) | ¥12,000〜¥24,000 |
【タイプ別の追加検査】
| ウェット型(腹水・胸水がある場合) | 貯留液の抜去・性状検査・PCR検査:¥25,000〜 |
|---|---|
| ドライ型(しこりがある場合) | 細胞診検査(針生検):¥20,000〜 |
治療薬の費用(お薬代)
ネコちゃんの状態や体重、ご予算に合わせて薬剤を選択します。
A. GS-441524(錠剤タイプ)
標準的な治療薬です。多くは子猫での発症ですが、成長に伴う体重増加に合わせて投薬量が増えるため、費用も変動します。
また、神経症状や眼症状(ドライ型の一部など)がある場合は、通常の1.25倍〜の量が必要になることがあります。
【費用イメージ】
| 体重 | 1日あたりの価格(目安) |
|---|---|
| ~1.25kg | ¥2,000~¥2,500 |
| 1.25kg~1.8kg | ¥3,000~¥3,750 |
| 1.8kg~2.5kg | ¥4,000~¥5,000 |
| 2.5kg~3.1kg | ¥5,000~¥6,520 |
| 3.1kg~3.7kg | ¥6,000~¥7,250 |
| 3.7kg~4.3kg | ¥7,000~¥8,750 |
| 4.3kg~5kg | ¥8,000~¥10,000 |
B. モルヌピラビル(粉薬タイプ)
84日間の投薬が必要です。
ご自宅で粉薬が飲めることが条件となりますが、費用面ではGS-441524の3分の1程度に抑えられるケースがあります。
C. レムデシビル(注射薬タイプ)
重症例で使用します。
ご自宅での投薬が困難な場合や、緊急性が高い場合に選択します。入院管理下での静脈点滴投与が基本となります。
経過観察にかかる費用
安全に治療を進めるため、定期的な検査を行います。
- 治療開始〜4週目まで:原則、週に1回
- 5週目以降:2週間に1回
【検査内容】
治療開始〜4週目まで: 原則、週に1回
- 費用目安:1回 ¥8,000〜
- ※タイプや状態により、検査頻度や内容は調整します。
セカンドオピニオンをご希望の方へ

「他の先生の意見も聞いてみたい」
そう思うのは、ご家族を愛しているからこそ。決して悪いことではありませんし、主治医の先生への裏切りでもありません。
今までの検査結果や資料があれば、ぜひお持ちください。不足している検査があれば当院で行い、客観的な視点でお話しさせていただきます。
「ちょっと話だけ聞いてみたい」というご相談も大歓迎です。罪悪感を持たずに、安心して頼ってくださいね。
当院としての願い

FIPは治すことが、闘うことができる病気になっています。しかし、当院でもやはり命を落としてしまう子がいるのも事実です。その多くは治療を開始するのが遅れてしまい、急速な悪化に対応が出来なくなってしまった結果です。
飼い主さまにお願いしたいことは、かかりつけの病院様などでFIPの疑いがあると言われた時に、1日でも早くFIPの治療を開始するということが何よりも大切だということを知っていただきたいのです。
FIPの診断の為に、早急に状況証拠を積み重ね、治療に入ること、かつ正しい治療法の選択肢を知っていただきたいのです。
治療費やどの様な経過を辿るのか、副作用は、など様々な不安があると思います。
当院がFIPという病気に対して少しでもお力になり、飼い主さまの不安を減らせればと思っています。



