近年、獣医療の進歩により、ペットの平均寿命が延びるという喜ばしい傾向があります。しかし、高齢化が進む中で、ガンの発症率も増加しているのが現実です。ガンは発見が遅れると治療が難しくなり、重篤化する可能性があります。そのため、ガンの治療においては早期発見と早期治療が非常に重要です。日常の愛犬・愛猫との触れ合いやスキンシップを通じて、ガンの症状のひとつである「腫瘍」に早く気づくことが大切です。
当院では、定期的な健康チェックや検診を通じて早期発見に努め、必要な治療を提供しています。獣医師とのコミュニケーションを大切にし、ペットの健康管理を継続的に行いましょう。ガンの早期発見と早期治療により、愛するペットの健康と幸せな未来を守ることができます。お気軽にご相談ください。
こんな症状はありませんか？
| 症状や様子 |
|---|
| 最近痩せてきてしまった |
| 食べる量が減ってきてしまった |
| 最近元気がなくなってきている |
| 皮膚にしこりやできものができている |
| お腹が膨れているように見える |
| お腹の調子が悪そうである |
こんなしこりは病院に行くことをおすすめします
日常のワンちゃん・ネコちゃんとのスキンシップの中で、新たにしこりやできものを発見すると、ついガンを疑ってしまうことがあります。しかし、見た目だけで「しこり＝ガン」と結びつけることはできません。
実際には、しこりやできものはさまざまな要因によって引き起こされる可能性があります。それには脂肪腫や嚢胞、炎症、腫瘍などが含まれます。正確な診断を行うためには、獣医師の専門的な診察が必要です。
非腫瘍と腫瘍の違い
非腫瘍性疾患とは、感染症や炎症性疾患などによって引き起こされる疾患のことを指します。一方、腫瘍は「良性腫瘍」や「悪性腫瘍（ガンや肉腫）」の2つに分類されます。
良性腫瘍と悪性腫瘍の違い
| 良性腫瘍 | 悪性腫瘍 | |
|---|---|---|
| 発育形態 | 膨張性 | 浸潤性 |
| 周囲との境界 | 明瞭 | 不明瞭 |
| 発育速度 | 遅い | 早い |
| 増殖性 | 弱い | 強い |
| 再発性 | 弱い | 強い |
| 転移性 | ない | ある |
良性腫瘍にはこんな病気があります
脂肪腫
症状
皮下組織に出来る脂肪の塊のことです。黄色いやわらかいしこりの場合、脂肪腫である可能性が高いです。
皮脂腺腫
症状
皮脂腺が異常に増えることで発生する、カリフラワー状の腫瘍のことです。9歳以上の老犬に多く見られる腫瘍です。
マイボーム腺腫
症状
マイボーム腺腫とは、ものもらいのことで、まぶたにできる腫瘍です。
乳頭腫
症状
主に口腔内などにできるピンク色でカリフラワー状のできもののことです。基本的には良性の場合が多いですが、悪性化してしまうと扁平上皮癌になってしまう可能性もあります。
肛門周囲腫瘍
症状
肛門周囲腺が腫瘍化したものです。肛門周辺にできるため、排便がしにくかったり、鮮血便や便秘などの症状があります。去勢手術を行っていない高齢犬に多く見られる腫瘍です。
悪性腫瘍にはこんな病気があります
リンパ腫
症状
犬において、リンパ腫はリンパ球が悪性腫瘍として増加する病気であり、発症率は非常に高いです（7～24％）。特に中高齢犬に多く見られます。
リンパ腫にはいくつかのタイプがあります。最も一般的なのは「多中心型」で、食欲不振、体重減少、発熱などの症状が現れます。また、「消化器型」は腸に発生し、食欲不振、下痢、嘔吐などの症状がみられます。さらに、「縦隔型」では前縦隔リンパ節や胸腺が腫れて呼吸困難を引き起こす可能性があります。その他にも「皮膚型」と「節外型」と呼ばれる稀なタイプも存在します。
早期発見と適切な治療がリンパ腫の管理には重要です。当院では経験豊富な獣医師が迅速な診断と最善の治療を行います。ペットの健康を守るために、お気軽にご相談ください。
肥満細胞腫
症状
「皮膚型」は、肥満細胞が悪性腫瘍として皮膚に発生するもので、犬の皮膚ガンの中で最も一般的な腫瘍です。約20％の割合を占めます。このタイプでは、皮膚にしこりや炎症が現れることがあります。一方、「内蔵型」は脾臓や骨髄、肝臓、肺などの内臓に腫瘍ができるタイプです。元気がなくなったり、食欲が低下したり、下痢などの症状が現れることがあります。早期発見と適切な治療が肥満細胞腫瘍の管理には重要です。当院では経験豊富な獣医師が迅速な診断と最適な治療を提供します。ペットの健康と幸せな未来を守るために、お気軽にご相談ください。
口腔内腫瘍
症状
犬や猫の口腔内にできる腫瘍を口腔内腫瘍といいます。口腔内は腫瘍が発生しやすい部位です。一般的な悪性腫瘍の種類には、「メラノーマ」「扁平上皮癌」「線維肉腫」などがあります。特に犬ではメラノーマが最も多く、猫では扁平上皮癌が最も一般的です。口臭やよだれ、出血、食欲不振などの症状が見られることがあります。
乳腺腫瘍
症状
乳腺周辺に発生する腫瘍の一種です。この疾患は非常に悪性度が高く、乳腺が熱を帯び、赤く腫れ上がり、痛みが生じる特徴があります。特に避妊手術を受けていない高齢のメス犬や猫に発生しやすい病気です。
早期発見と迅速な治療が炎症性乳がんの管理には重要です。
その他当院で実績のある腫瘍
骨肉腫
精巣腫瘍
肝臓腫瘍
肺腫瘍
組織球性肉腫
膀胱尿道腫瘍
腎臓腫瘍
心臓腫瘍
血管肉腫
ワクチン肉腫
皮膚腫瘍
軟部組織肉腫
白血病
消化管腫瘍
当院での検査方法
①病理検査
針生検
組織生検
②画像検査
超音波検査
X線検査
