健康診断について

健康診断

ワンちゃんネコちゃんに、こんな症状が出てしまったら…

耳をしきりにかく​​

変なニオイがする​​

鼻水・くしゃみが多い​​

フケ・抜け毛が多い​​

皮膚がベタベタしている​​

お腹を触ると嫌がる​​

嘔吐・下痢をする

咳をしている​​

呼吸が苦しそう​​

歩き方がおかしい

​「なんだか様子がいつもと違う…」と思ったとき、愛犬・愛猫はすでに病気になっているかもしれません。​
いち早く病気の疑いに気付ければ、早く治療を始められ、最悪の事態を回避できます。​症状がはっきり出ない病気もあるため、定期的な健康診断をおすすめします。​

健康診断を受けるタイミング​​​

「別に異常はないと思うけど…」という場合でも、健康診断は最低年1回行いましょう。​ワンちゃん・ネコちゃんは、人間と比べ約4倍のスピードで成長・老化していきます。​例えば大型犬の場合、4歳を迎えたばかりと思っていても、人間の年齢に換算すると40歳程度と言われています。​
初めての健康診断は家に迎え入れるときや生後6ヶ月のタイミングで、その後は年1回のペースでチェックしてもらいましょう。​
シニアは不調が出やすくなるため、7歳以降はできれば年2回(半年に1回)がおすすめです。​病気を悪化させてからでは時間や費用もかさみ、ペットにとっても飼い主さんにとっても負担が大きくなります。​
忘れてしまわないよう、フィラリア予防のタイミングなどに合わせて健康診断を申し込むとよいでしょう。

健康診断で分かる病気​​​

「健康に見えても実は…」というケースはよくあります。血液検査や尿検査で分かる病気の例を紹介します。​

  • 膵炎…強い痛みを感じ、嘔吐・下痢・震えなどが起こります。​
  • 僧帽弁閉鎖不全症…心臓の機能が低下し、心拍数・呼吸数が増えます。​
  • 糖尿病…肥満や不適切な食事により、血中の糖が増えます。水を飲む量が増え、おしっこの回数が増えます。食欲旺盛にも関わらず体重が減ることもあります。
  • 尿道閉塞…尿道が詰まり、おしっこができない状態です。短期間で腎不全・尿毒症となり、​治療を行わないと死に至ります。​
  • 貧血…体全身に酸素を送れなくなり、疲れやすく、手足が冷えます。​重症化すると酸素が行き渡らないことで呼吸困難に陥り、命に関わります。​

健康診断の内容

健康診断の主な検査項目を紹介します。

問診

お家での様子を説明してください。​
ワンちゃん・ネコちゃんは自分で話せませんので、飼い主さんの情報がとても大切です。​
食欲や皮膚など、気になることがあればささいなことでも伝えてください。​日頃からメモを取ったり動画を撮ったりしておくと、診断に役立ちます。

視診・触診・聴診

獣医師が実際に触ったり聞いたりして全身をチェックします。​
例えば聴診器を使って心音を確認し、呼吸器の病気にかかっていないかなどを判断します。​
お腹を触って腫瘍(しこり)が見つかることもあります。

血液検査

血液を採取し、栄養状態・腎臓の機能・血糖値などを確認します。​
状況に応じて腫瘍マーカー・アレルギー検査・寄生虫感染なども調べます。

尿検査・糞便検査

尿路結石は犬・猫どちらにも多い病気で、「おしっこが出なくなる」「血が混じる」などの症状が出ます。​
おしっこやうんちを見ると、腎臓の異常や糖尿病の発見にも役立ちます。​
寄生虫の有無や腸内細菌のバランス・消化状況なども分かります。​
この検査では準備が必要な場合があります。​
健康診断を申し込む際に「尿検査・便検査があるか?」「持参するのか?」などを聞いておくと良いでしょう。

レントゲン検査

レントゲン検査では、外から見えない骨や心臓・内臓の状態を確認します。​
腎臓や膀胱に結石がないか、関節に炎症はないか、なども調べられます。​
特にシニアは「変形性関節炎(老齢性関節炎)」になりやすいのですが、ハッキリとした症状が見られません。​
レントゲン検査で関節炎だと分かればお薬を処方でき、痛みを軽減できます。

超音波検査

超音波(エコー)検査は心臓や肝臓・腎臓などの動き、血液の流れなどを確認します。​
肝臓や泌尿器系の病気はよほど悪化しないと症状があらわれませんが、超音波(エコー)検査では発見できることがあります。

心電図検査

失神やふらつきなどがある場合、不整脈が原因かもしれません。​
心電図検査では心臓の異常を発見できます。

健康診断の注意点

ワンちゃん・ネコちゃんに健康診断を受けさせる上で注意したい点を紹介します。

事前予約しておく

健康診断は事前予約が必要な動物病院がほとんどです。​
いきなり受診しても受けられる検査が限られてしまいます。​
検査内容によっては「数時間前からの絶食」「うんちやおしっこの持参」が必要になります。​
まずは問い合わせをして、プランや日時を決めておくのが無難です。

食事をしてよいか確認する

血液検査は食事の影響を受けます。​満腹の状態ではコレステロールや中性脂肪の数値が正しく測れず、必要ではない治療をすることになるかもしれません。​
検査内容によっては8〜12時間食事を控えなければならないため、あらかじめ確認しましょう。​絶食の時間帯でもお水は飲ませても構いません。

健康のように見えても定期的に行う

健康診断はそれなりに費用がかかります。​特にペットの体に問題がなければ「無駄なんじゃないか」「負担をかけるだけじゃないか」と思うかもしれません。​
しかし、「健康な状態」のデータは実際に病気にかかったときの判断に役立ちます。​ワンちゃんネコちゃんが元気だとしても、健康診断は意味があります。


投稿日:2023年8月3日 更新日: