ワンちゃんやネコちゃんの健康を守るためには、年間のワクチン接種と定期的な健康診断が欠かせません。ワクチン接種を怠ることで、深刻な伝染病に感染するリスクが高まります。命に関わる病気も存在するため、ペットのためにも予防を徹底しましょう。定期的な健康診断では、早期発見と早期治療が可能となります。獣医師との相談を通じて、ワンちゃんやネコちゃんの健康をしっかりと守りましょう。
予防科について
混合ワクチン接種
ワンちゃんやネコちゃんの混合ワクチン接種は、伝染病の予防に役立つ重要な手段です。これにより、ペットだけでなく人間にも感染する可能性のある病気から守ることができます。特効薬がない伝染病に対しては、定期的な年次ワクチン接種が必要です。ペットの健康を守るためにも、定期的なワクチン接種をお忘れなく行いましょう。
ワンちゃんの混合ワクチン
ワクチン成分 |
5種 |
7種 |
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犬ジステンパーウイルス感染症 | ||
犬パルボウイルス感染症 | ||
犬アデノウイルス1型感染症 | ||
犬アデノウイルス2型感染症 | ||
犬パラインフルエンザ感染症 | ||
犬レプトスピラ感染症(コペンハーゲニー型) | ||
犬レプトスピラ感染症(カニコーラ型) |
ネコちゃんの混合ワクチン
ワクチン成分 |
3種 |
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猫ウイルス性鼻気管炎 | |
猫カリシウイルス感染症 | |
猫汎白血球減少症 | |
猫白血病ウイルス感染症 |
猫エイズウイルス感染症ワクチン
猫エイズウイルス感染症ワクチンは、猫エイズへの予防策として重要です。猫エイズウイルスは、唾液や血液を介して他の猫との接触やグルーミング中に感染することが多いです。初期段階では無症状であり、感染に気づきにくいことがあります。しかし、時間の経過とともに病状が悪化し、免疫力の低下や命に関わる危険性が高まります。猫エイズウイルスは完全に体内から排除することができないため、定期的なワクチン接種が重要です。お気に入りの猫の健康を守るためにも、ワクチン接種をお忘れなく。
混合ワクチンを受けられる前のご注意点
- 予防注射を受けられる前に、一般状態(体温・食欲・便の状態・嘔吐の有無など)が良好であることを確認の上ワクチンの接種をお受けください。
- ワクチン接種予定日でも、少しでも状態が悪いと確認されたら接種日の延期をお願いします。
混合ワクチンを受けられた後のご注意点
- アレルギー症状は、ワクチン接種後15分から20分ぐらいに発症することが多く、最長でも 2~3日以内に発症します。もし発症したら、直ちに病院にご連絡ください。
- 症状によっては、そのまま放置することによって改善することも多いです。
- ワクチン接種後、2~3日はシャンプーを控えてください。
- 初年度の予防接種の場合は、生後3ヶ月以上で接種をしてください。
- 接種後は2週間以上たってから、犬の美容室および公園などに行ってください。
フィラリア予防
蚊によるフィラリア感染症は、寄生虫によって引き起こされます。蚊に刺されることで感染し、心臓や肺動脈に寄生します。咳や疲れやすさなどの症状が現れます。
重症化すると心臓に詰まる恐ろしい病気ですが、予防は確実にできます。蚊の活動が活発な季節には、注射やお薬による予防をおすすめします。フィラリア予防をしっかり行って、安心して過ごしましょう。
フィラリア予防をお考えの飼い主様へ
- 注射薬・内服薬と滴下式薬の予防ができるようになりました。
- ごく稀にアレルギー症状(嘔吐・下痢など)が出ることがあります。自然治癒することが大半ですが必ず病院に連絡しておいてください。この場合の治療は、飼い主様の負担となります。申し訳ございません。
注射でのフィラリア予防
- 1回の注射で1年間予防できます。
- 他の予防注射(狂犬病、混合ワクチンなど)と同日には接種しない方が良いと思います。
- 注射を接種した部位は揉まずに、3日間はシャンプーを控えてください。
内服でのフィラリア予防
- 毎月1回投薬します。
- 錠剤、細粒、チュアブルタイプの3種類から選んでください。
- 当院の錠剤もしくは細粒は、回虫、鉤虫、鞭虫も同時に降りるミルベマイシンです。
- ノミ・ダニ・フィラリアを予防するオールインワンタイプのネクスガードスペクトラもあります。
ノミ・マダニ予防
ノミやマダニは、身近な場所での感染の危険性が高いため、怖い存在と言われています。例えば、草むらでワンちゃんがクンクンする様子はよく見られますが、そこにはマダニがジャンプしてくる可能性もあります。このような光景をスコープで見ると、ワンちゃんの顔めがけてマダニがジャンプしている様子が現実に起こっていることがわかります。
ノミ
ノミは犬の体に寄生する最もポピュラーな寄生虫です。かゆみをもたらしアレルギー皮フ炎の原因となります。
血を吸われることで貧血を引き起こしたり、ノミが運ぶ病原体が人にも感染する危険があります。
マダニ
ウイルスを持つマダニに噛まれることで発症するSFTSという感染症があります。人に感染してしまうと発熱や倦怠感といった初期症状が出たのち、最悪の場合死亡してしまうケースもあります。
さらに、マダニの吸血によってもたらされるバベシア症という病気もあり、西日本を中心に広がっています。赤血球の中にバベシア・ギブソニーなどの原虫が寄生してしまい、貧血などの症状が出てしまいます。一度かかると完全に駆除することは難しいため、予防が大切になります。
ノミ・マダニの予防薬
ノミ、マダニの予防薬には様々な投薬方法のものがあります。
スポットタイプは首の辺りに液薬を数滴落とすだけの簡単な仕様です。ワンちゃんにストレスを与えることなく投薬できることが人気で一番使用されています。
狂犬病予防注射
狂犬病は、最も恐ろしい感染症の一つであり、動物から人への感染が可能です。人間の感染者はほぼ100%死亡すると言われ、さまざまなほ乳類に感染することが知られています。現在、日本では狂犬病の発生は報告されていませんが、近隣諸国では発生が頻繁にあり、感染のリスクは存在します。狂犬病を防ぐためには、予防接種率を高めることが重要です。また、万が一他の犬や人を噛んだ場合、狂犬病予防接種の有無は重要な要素となります。安心して暮らすために、狂犬病予防接種をお忘れなく行いましょう。
生後90日を過ぎたら、狂犬病の予防注射を毎年一回受けさせることが
狂犬病予防法という法律で義務づけられています
当院では、初めて予防接種を受けたワンちゃんには犬鑑札と呼ばれる注射済票をお渡しします。犬鑑札は一生涯変わらないので大切に保管してください。毎年の予防接種時には新たな注射済票をお渡しします。札幌市在住のワンちゃんには登録手続きから鑑札の発行まで行っています。また、札幌市からは来年の予防接種時期に狂犬病予防接種の案内はがきが送られてくるので、安心して予防接種を忘れずに受けましょう。健康で安心な生活を送るために、狂犬病の予防接種を受けてください!