こんにちは!獣医師の山浦です。今日はネコちゃんの嘔吐についてお話しします。
ネコちゃんが吐くのは珍しいことではありません。ネコちゃんの習性や体の構造上、健康な子でも吐いてしまうということがあります。嘔吐を引き起こす病気の数は多く、代表的なものでも胃腸炎や甲状線機能亢進症、腎臓病、膵臓の炎症、肝臓の病気、便秘など多岐に渡ります。
ネコちゃんは食事の際に、フードを丸飲みする子が多く、フードを勢いよく食べたり、食べ過ぎたりするだけでも嘔吐することがあります。また食道の構造から見ても、食道にフードが長くとどまることがあり、吐き戻しやすいと言われています。
吐くことが珍しくない体質だと知っていても、不安になることがあるかと思います。。数回吐いたあと、元気な様子が見られるのであれば、まず嘔吐物を観察し、何を吐いたのか、何色かを観察してみましょう。
毛玉を吐いている場合、毛を飲み込む量を減らすために、定期的なブラッシングや毛の掃除を心がけてあげましょう。
透明な液を吐いている場合、水のがぶのみや、空腹、ストレスなどが考えられます。空腹では黄色の液体を吐くこともありますが、食事の間隔が空きすぎないようにしてあげると改善する事があります。
フードを吐いている場合、勢いよくフードを食べてしまった場合や、急なフードの変更による場合などが考えられます。一度に食べる量を減らして食事の回数を増やしたり、フードの変更を1週間ほど時間をかけてゆっくりと行うように意識してみましょう。
注意しておきたいのは、一見元気そうに見えても、嘔吐物にフード以外のものが含まれていたり、赤色やピンク色、こげ茶色であれば、速やかに受診する必要があるということです。
普段から時々吐いている子でも、食欲が落ちた、元気がない、毎日吐く、うまく吐き出せない、吐く回数が増えたなどの変化がみられたり、「普段と違う」と感じたらすぐに動物病院を受診しましょう!