こんにちは!獣医師の山浦です!
可愛い我が子に、オヤツをねだられ、ついつい与えすぎてしまうことはありませんか?
ちょっとだけ与えていたのに、気づいた時には太ってしまっていた、、、という経験がある方は多いと思います。
肥満の原因としては、食べ過ぎ、運動不足、あるいは何らかの病気があげられます。今日は、その病気の代表的なものと、肥満のリスク、対処法などを解説します。
まずそもそも肥満かどうか
犬種や性別、体格によって違いがありますが、
肋骨が触れるか、お腹にくびれがあるかどうか等を参考にして、肥満度を測ります。
肥満に近づいている体型の子は、肋骨が触りづらくなり、くびれがなくなってきます。
肥満のリスク
まず、関節の負担や、呼吸器への負担が増えてしまいます。特に、マズルが短い子達は生まれつき呼吸がしづらいため、肥満によって更に息苦しさが増してしまいます。
また、膵炎や糖尿病、膀胱炎などのリスクがあがるといわれています。
太ってしまう原因(病気以外)
食べ過ぎ
運動不足
歩きたがらないからといってまったく散歩をさせなかったり、中型から大型犬であれば散歩時間が5~10分程度とかなり少なかったりすると運動不足になります。また、太れば太るほど体が重くなって歩きたがらなくなるため、更に運動不足になるという悪循環に陥ってしまいます。
犬の去勢・避妊手術
犬は去勢や避妊手術によってホルモンバランスが変わり、基礎代謝が下がります。
手術後は食事量や運動量を変えないと、自然と太りやすくなります。
肥満になる代表的な病気
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症になると、代謝が落ちるため、同じご飯の量を食べていても、太ってきて動きが鈍くなり、活発さがなくなるため、老化と勘違いされやすいです。また、毛が抜けて薄くなるのも特徴です。
お腹が張ってくる病気
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)とは、副腎と呼ばれる臓器から出るホルモン物質が過剰に分泌される病気で、犬のお腹が張り、たるんだような体型になります。症状としては、多飲多尿、毛が抜けて薄くなる、足腰が弱くなるなどが見られます。
お腹の内臓の腫れ
胃腸や、お腹の臓器(肝臓、腎臓、脾臓、子宮など)が大きくなると、お腹が膨らんだように見える事があります。血液検査だけではわからない事も多いため、定期的に画像検査(レントゲン検査・エコー検査)も含めた健康診断を受けると良いでしょう。
他にも、心臓病や妊娠、腫瘍によってもお腹が張ってくることがあります。お腹に水や血液、尿などが漏れている場合もお腹が張ってきます。
高齢でなくても、急にお腹が張ってきた場合には様子をみず、早めに病院に連れて行きましょう。
太ったように見えるだけでなく、他の症状(食欲が落ちている、元気がない、呼吸が早い、毛が抜けている、吐く、うんちがゆるい、水をよく飲む)がある場合も早めに病院に行くことをお勧めします。
犬の肥満の対処法 食べ過ぎの場合 ダイエット方法
食べすぎによる肥満であれば、体重を極力減らすようにしましょう。
しかし、急に食べ物を減らされると、ご飯が足りないとアピールし、食べ物を欲しがります。また、急に体重が減るとと体調を崩す可能性があるため、1週間あたりの体重減少を1%以内に留めた方が良いです。
計算すると、5キロの子なら50g、10キロの子なら100gとなります。
1週間で成果が見られにくいため、毎週体重を測って、体重が減っているか記録してみましょう。
5キロの子なら4週間で200g減ると良い計算になります。
体重の減らしすぎも良くないため、痩せすぎていないか病院でチェックしてもらうと良いでしょう。
肥満を予防にするには?
まずは、適正体重を把握することが大切です。
次に、食事の量は、ドライフードであれば、理想とする適正体重から計算して与えるようにしてください。(増えた体重のまま計算すると更に太ってしまいます。)
また、食事だけでなく朝晩の適度な散歩や運動も大切です。
まとめ
一旦肥満になると、減量させることが難しくなります。そうなる前に、肥満予防を意識して、適正体重を維持することが大切です。
また、病気が原因で太ることもあるので、体重が急に増えた場合は、様子を見ずに動物病院に行き、相談したほうがいいでしょう。