お知らせ

猫の糖尿病の新しい薬!センベルゴ®️

投稿日:

こんにちは!獣医師の山浦です。
先日札幌で猫の糖尿病の新しい薬についてセミナーを受けてきました!

猫の糖尿病とは

まず、猫の糖尿病とは一般的には 何かしらの原因でインスリンの効きが悪くなり、血糖値が下がらなくなる病気です。症状は多飲多尿、多食、体重減少などです。一般的には、糖尿病が進むと足がふらついたり、踵をつけたような歩き方をすることがあります。

治療法

これまで、治療としては、インスリンの効きが悪くなる原因を取り除くことと、 食事療法やインスリンを補充してあげる インスリン療法が行われてきました。インスリン療法では飼い主様の協力のもと、お家で毎日注射をしてもらう事になるので、飼い主様の生活習慣に合わせてインスリンの量の調節を行う必要があったり、注射が難しいなどの課題点がありました。

新薬はどんな薬?

今回新しく発売された薬(センベルゴ®️)は液剤で、飲ませたり、ご飯に混ぜたりして投与します。インスリンと違い、 尿中に糖を排泄することで血糖値を下げようとするものです。センベルゴ®️は、ろ過された尿中のグルコースを再吸収するSGLT(ナトリウム-グルコース共輸送体)2を特異的に阻害し、尿中へのグルコース排泄を増加させ血糖値を低下させます。

新しい薬と聞くと試してみたいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この薬は糖尿病に罹患しているすべての子に使える訳ではないようです。。

新薬を服用できる条件としては、 糖尿病の治療により血糖値がうまくコントロールできている子で、痩せていない子など、制約が多くあります。また、軟便になるなどの 副反応が一定数みられると報告されており、慎重使用が必要となります。

まとめ

新薬は10月から販売ですが、国内ではまだ臨床データが多くないため、当院は導入に慎重な姿勢です。

健康診断は病気の発見だけでなく、健康であることを確かめる一つの手段になりますので、 「最近よくお水を飲む」「よくトイレに行っている」「ポッチャリさんだったのに痩せてきた」など、変化を感じたら一度病院で健康診断を受けてみることをお勧めします!

-お知らせ

執筆者:

関連記事

no image

熱中症に注意!

こんにちは!獣医師の山浦です! 最近暑い日が続いていますね。今日は熱中症についてお話しします。 熱中症とは 犬や猫は通常、呼吸によって熱を放散し、体温をコントロールしています。しかし、猫は基本的に鼻で …

no image

4月のトリミング✂️

こんにちは😃 4月のトリミングは色々なパックのご紹介♪   当トリミングオプション、 ハーブパック🌿と泡パック🫧の2種類になります✨ ハーブパック🌿 抗菌作用や消臭効果、 フケやかゆみを抑え …

no image

顎の異変について

こんにちは、看護師の中村です。 先日から長年気になっていた顎関節症の治療を始めたのですが、それに伴って動物にも顎関節症はあるのか調べてみました。 結論から言うと、動物にも顎関節症のような症状はあるみた …

no image

8月の休診日

8月の休診日ですが、 これまで通り、火曜日は午前診察、水曜日は休診です。 その他、10日の祝日は午前診察のみ、13日の木曜日も1日休診となります。

no image

挨拶

こんにちは、看護師の中村です。 私事ですが、本日29日をもって退職させていただく事になりました。 この3年間、働くことの大変さや社会の厳しさなどたくさんのことを学びました。 3年間続けられたのは優しい …

-->