こんにちは!獣医師の山浦です。
言葉を話さないペットの健康を把握するのにわかりやすい便ですが、下痢をした時にどんな事が考えられるのでしょうか。
下痢とは
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- なんらかの原因でご飯の消化不良や、吸収不良によって起こります。
- 小腸(栄養を吸収するところ)や大腸(便の形を整える場所)に原因があるのかによって下痢の量や回数、色などが変わってきます。
下の表で2番の便が理想的だと言われています。個人差はありますが、2以外か続く場合や、4以上の便は下痢と捉える事が多いです。
原因・検査
原因
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原因は様々で、ストレス、食事の変更や、誤食・くすりが合わない、感染(菌や寄生虫、ウイルスなど)を疑う事が多いです。
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また、胃腸の病気(炎症や腫瘍、消化管潰瘍など)、内臓の病気(膵炎、腎臓病、肝臓病、心臓病、子宮蓄膿症、ホルモンの病気など)、腫瘍やデキモノ、誤食・腸の詰まりなどが挙げられます。
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検査
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身体検査や糞便検査などの体の負担が少ない検査から、血液検査、超音波(エコー)検査、レントゲン検査、直腸検査を行う事が多いです。
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治りにくい下痢や、重度の場合は腫瘍などの大きな病気が隠れている事が あり、CT検査や内視鏡検査などの鎮静をかけた検査をする事もあります。
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重症か?様子見か?
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仕事や都合で病院に行けない時、様子を見て良いか迷うことがある時には、どうした判断したら良いのでしょうか。
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軽度の下痢(軟便)で、吐いておらず、食欲や元気がある場合は様子見ていても数日〜1週間以内に治る場合があります。
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新しいおやつを食べたり、出かけた次の日など、思い当たる節があれば避け、家で安静にし、ご飯の量を半分程度に減らして様子をみても良いでしょう。
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例外として、食欲や元気があっても、 異物を誤食した疑いがある場合や、便にフード以外のものが混ざっている時や、イカ墨の様に黒い便 が出た場合は必ず病院に連れて行きましょう。
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ただ、一過性の下痢も薬を処方してもらった方が治りが早い事が多いです。可能であれば病院に連れて行きましょう。
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様子を見ない方が良いのは以下な様な時です。
子犬、子猫や、高齢の子など免疫力が低い時
下痢の回数が多い
よく異物を食べるクセがある
数日以内に良くならない、だんだん悪くなる
下痢以外の症状(元気がない、食欲がない、吐く、お腹が痛そうなど)がある
下痢治療中なのにすぐ治らない
家でできる事
お腹を下す原因を減らしてあげると良いでしょう。
下痢が落ち着くまではご飯の量を半分程度に減らしたり、
散歩コースを最低限にしたり、新しい食べ物を避けるなどのくふうの工夫が必要です。
予防法
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拾い食いや誤食 は、中毒を起こしたり、腸が詰まったりして緊急手術になる場合がありますので、避けましょう。
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また、定期的なワクチン接種や駆虫薬を定期的に飲む事で戦う力をつけておくのも予防になります。
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また、下痢をしやすい子はフードを消化・吸収に優しいものに変える事で治ることがあります。療法食の選び方についてはスタッフにお尋ねください。
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病院に行く時に把握しておくと良い事
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下痢の経過(よくなっている、酷くなっている)
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フードの変更や、拾い食いをしたか
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最近旅行に行ったか
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同居動物で下痢や嘔吐をしている子がいるか
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おもちゃなどの異物を食べたかどうか
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下痢の写真や便を持っていくとより具体的に伝わります。
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まとめ
下痢の原因は様々で、いろんな病気のサインになります。
病院に行った後も、バッチリ治っているか、薬を飲み終えた後下痢を繰り返さないかを見てあげる事で大きな病気を見逃さない事が大切になります。