こんにちは!獣医師の山浦です。最近話題のダニについてのお話です。
マダニは、草の先端などで動物や人間へ寄生する機会を狙っています。ダニは、様々な病気を持っているため、寄生されると感染する可能性があります。
北海道は自然が豊かなため、公園・河川敷など少しでも緑がある場所は注意が必要です。
ダニの成長過程
孵化した幼ダニは、
「寄生して吸血する」⇄「体表を離れて脱皮する」
を繰り返し、成長します。
雌の成ダニは、犬の血でお腹がいっぱいに膨れ、体表を離れて卵を産みます。
マダニは犬の頭や耳など皮膚の薄い部分に好んで寄生し、固定します。
そして、吸血と唾液の分泌を交互に繰り返します。
無理に取ろうとすると皮膚が裂けたり、ダニの口器だけが残ったりして、皮膚炎の原因になることがあります。
マダニに噛まれてうつる病気の代表例
ライム病
マダニ(主にシュルツェマダニ)からうつる菌による病気です。
動物にもヒトにもうつる病気です。
主な症状は発熱、食欲不振、関節痛、歩行異常、元気消失などです。咬まれた部位が赤く腫れる「遊走性紅斑」が見られることもあります。
国内の中でも北海道で発生が多い病気ですので、注意が必要です。
SFTS
主にフタトゲチマダニというダニが媒介するウイルスです。
動物や、ヒトが噛まれたり、ダニに噛まれた動物からヒトに感染する可能性がある病気です。
先日のニュースでSFTSに感染した猫を診察した獣医師の死亡例が話題になりました。
フタトゲチマダニは全国にいますが、SFTSの発生は殆どが西日本で、東日本ではほとんど発生が報告されていません。これにはマダニの遺伝子レベルの違い等が関係していると報告されています。
しかし、ヒトが西日本のダニを持ち込んでしまう可能性もあるので注意が必要です⚠️
マダニ対策
臭いを嗅ぐために顔を草に突っ込むため、顔周りにダニがつく事が多いです。
丈の高い草むらに入らない様にしたり、洋服を着ることも対策につながります。
散歩後、必ずダニがついていないかチェックをする事が大切です。(ヒトも)。ブラッシングをする事で見つかる事もあります。
当院ではダニ予防薬を用意しております。
飲むタイプ(3ヶ月に一回)、垂らすタイプ(毎月)があります。
ダニの活動時期は春から夏と言われていますが、通年活動している種類もいます。
ダニがいる可能性がある、4月から12月まで続けましょう。
体重によりますが、費用としては1日あたり50円〜100円ほどになります。
お取り寄せにはなりますが、フィラリア症の予防薬もオールインワンになっているお薬もあります。
まとめ
ダニは、動物だけでなく、ヒトにもうつる病気(人獣共通感染症)を持っている事があります。自然豊かな北海道はダニも身近にいるため、予防をきっちりして、外出するようにしましょう。
また、外出後はダニがついていないかブラッシングをする事でチェックする習慣づくりに努めましょう。
万が一ダニがついてしまった場合は、無理に引っ張るとダニの口先が皮膚に残り、炎症を起こす可能性があるため、必ず病院で取ってもらうようにしましょう。
以下、よく見かけるダニの写真を添付します。